監修者情報:芳川 宏輔

株式会社ウィンカム 取締役
CFPⓇ認定ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー
金融商品・保険商品を一切販売せずコンサルティングに徹するFP。
保険・住宅ローン・資産運用・NISA等サポートは多岐に渡る。
100世帯以上の顧問FPをし、延べ相談実績は400回を超える。
インターネットやSNSで「生命保険は必要ない」「資産運用で十分」という意見を見かけ、「もしかして無駄な保険に加入しているのかな?」と不安になったことはありませんか?
結論から言うと、すべての人が生命保険が不要というわけではありません。 一方で、公的保障や金融資産が十分にあるため、生命保険が必要ない人がいるのもまた事実です。保険は「不要派」と「必要派」の極端な意見に惑わされず、自身の状況に合わせて判断することが大切です。
この記事では、生命保険の必要性を正しく判断するための基準から、解約・見直しをする際の具体的なチェックポイント、注意点までをわかりやすく解説します。
監修者情報:芳川 宏輔

株式会社ウィンカム 取締役
CFPⓇ認定ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー
金融商品・保険商品を一切販売せずコンサルティングに徹するFP。
保険・住宅ローン・資産運用・NISA等サポートは多岐に渡る。
100世帯以上の顧問FPをし、延べ相談実績は400回を超える。
インターネットやSNSで「生命保険はいらない」という意見をよく目にする背景には、いくつか明確な理由があります。それぞれの理由と、注意事項として「必ずしも全員には当てはまらない点」を整理していきましょう。
日本は国民皆保険制度のため、公的保障制度が充実しています。会社員や公務員の方であれば、万が一の際には遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)が支給されるほか、病気やケガで休業した場合には傷病手当金、医療費が高額になった場合は「高額療養費制度」が活用できます。さらに、勤務先の死亡退職金・弔慰金や、住宅ローンを組む際に加入する「団体信用生命保険(団信)」も実質的な死亡保障の役割を果たします。
ただし自営業・フリーランスの方は遺族厚生年金や傷病手当金がないため、公的保障が会社員、公務員と比較して薄くなります。また、遺族年金は家族構成や配偶者の年齢によって支給条件や期間が異なります。(※2025年の年金制度改正により、子のいない配偶者に対する遺族厚生年金を原則5年の有期給付とする見直しが2028年4月施行予定)。
保険の基本は「発生する確率は低いが、起きたときのお金の影響が大きいリスクに備える」商品です。すでに十分な資産や貯蓄をお持ちの方であれば、保険料を払って保険会社にリスクを転嫁しなくても、自身の貯蓄から遺族の生活費や教育費を賄うことができます。
ただし、子育て世帯や住宅購入直後など、これから大きな支出が控えている一方で貯蓄がまだ十分でない時期は、自分の資産だけではカバーしきれません。
また勧められるがまま複数の保険に加入した結果、保障内容が重複していたり、家計に対して過剰な保険料を払い続けていたりするケースは珍しくありません。「保険で貯蓄や運用も兼ねるタイプの保険」は、「保障と資産形成(NISAなどの活用)」を分けて考えた方が合理的な場合も多いです。
ただし保険料の負担が重いからといって、内容を確認せずに一括解約してしまうと、年齢が上がったことにより、同じ条件(保険料)で入り直すことができなくなるリスクがあります。
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生命保険を持たない・解約するという選択には、プラスの面とマイナスの面の両方が存在します。
毎月の保険料支払いがなければ、NISAやiDeCoなどを活用した資産形成へ資金を振り向けることができます。また保険を見直しをし、保険料が削減出来れば、浮いたお金を資産運用に回すことで資産形成を後押しします。
加入中の保険契約数が減ることで、保障内容の把握や管理の手間が大幅に軽減されます。
不要なオプション特約や重複していた保障を削ることで、家計のコストパフォーマンスが向上します。
万が一のことがあった際、遺族年金と現在の貯蓄だけでは残された家族の生活が成り立たなくなる恐れがあります。
持病や既往歴ができると、後から「保険に再加入しよう」と思っても新しい保険に加入できなかったり、保険料が高くなったりします。がんや特定疾病に罹ると再加入まで5年以上必要などの制約がかかる場合があります。
生命保険の保険料は原則として年齢とともに高くなるため、解約後に改めて加入し直すと保険料が割高になります。
所得税・住民税の節税(一般生命保険料控除など)が利用できなくなります。(※ただし節税額には上限があるため、節税目的だけのために無理に加入し続ける必要はありません)
以下のような特徴に当てはまる方は、生命保険に入る優先度が低い(あるいは「いらない」)可能性が高いといえます。
自分が亡くなったとしても経済的に困る家族(遺族)がいない場合、残された遺族のための生活費や教育費を用意する必要はありません。葬儀費用や身辺整理に必要な資金(数百万程度)が貯蓄で準備できていれば、死亡保険の優先度は低くなります。
【FPの現場から】 相談現場では、独身時代に提案されるがまま「死亡保障3,000万円」の定期保険に加入し、高い保険料を払い続けていたケースは多々あります。この場合の受け取り人は両親のどちらかになっているケースが多く、ご両親が経済的に困っていなければここまでの高額保障は必要ありません。その場合は収入保障保険などを検討しましょう。
万が一のことがあっても、遺族が今後の生活費や子どもの教育費、住宅費用などを十分に賄えるだけの資産(預貯金や有価証券など)を持っている場合、あえて保険に加入する必要性は低くなります。
子どもが大学を卒業して社会人になるなど、親としての養育・教育の責任を終えたタイミングは、必要保障額が大きく減る時期です。
【FPの現場から】 子育て期に契約した「死亡保障3,000万円」のまま、子どもが独立した後も満期まで同じ保険料を払い続けているご家庭は少なくありません。子どもの成長に合わせて保障額を段階的に減らしていく見直しが効果的です。
お互いに十分な収入があり、万が一どちらか一方に何かあっても、残された配偶者の収入・遺族年金・団信(住宅ローン免除)等で生活費や住まいが維持できる場合は、高額な死亡保障の必要性は高くなりません。またご実家のサポートを受けることができ、経済的な心配が少ない場合でも保険に入る必要性がかわってきます。
一方で、以下のような条件に該当する方は、万が一の際に家計が破綻しないよう、生命保険でしっかり備えておく必要があります。
子どもの年齢が小さいほど、将来必要になる生活費や教育費の総額=必要保障額は大きくなります。家計の主たる稼ぎ手に万が一のことがあった場合、遺族の生活を長期間支える必要があるため、保険の必要性が高い時期といえます。
生活防衛費として、生活費+家賃の6ヶ月~1年分は現預金で確保することがベースになります。また貯蓄が数百万円程度しかできていないという段階では、保険料の安い掛け捨て型(定期保険や収入保障保険)を活用して、十分な資産ができるまでの「つなぎ」として保障を確保するのが合理的です。
自営業や個人事業主の方は、会社員と比べて公的保障が手薄です。遺族厚生年金や傷病手当金が給付されないため、万が一の際に残された家族が必要とする金額が大きくなりやすく、手厚い民間保険での備えが求められます。
一定以上の資産を持っている場合、生命保険金には「500万円 × 法定相続人の数」という非課税枠が用意されています。また被相続人が亡くなると銀行口座は凍結されますが、死亡保険金は原則として遺産分割協議の対象外であり、受取人が単独で請求できます。そのため、葬儀費用や相続税の納税資金を速やかに確保できます。更に死亡保険金は「受取人固有の財産」となるため、他の相続人の同意なしに指定した人物へ渡すことができます。また、不動産など分割しにくい財産を特定の相続人が引き継ぐ際、他の相続人に払う代償金(代償分割)の原資としても活用できます。
この記事を読んで「自分には保険がいらないかもしれない」と感じた場合でも、すぐに解約手続きをするのではなく、以下のステップで整理してみましょう。
生命保険で備えるべき金額(必要保障額)は、万が一のときに「残された家族に必要な支出」から「入ってくる収入(公的保障や貯蓄)」を差し引いて計算します。
| 計算式 |
|---|
| 必要保障額 = 万が一の後に必要な生活費・教育費等 − (公的年金+既存の貯蓄+配偶者の収入) |
このように計算すると、必要な保障額は年齢や家族構成とともに変化していくことがわかります。
国の制度や会社の福利厚生でどれくらいカバーできるかを知ることが重要です。
2028年4月より、遺族厚生年金の制度見直しが予定されています。特に「子のいない20代〜50代の配偶者」に対する給付が5年間の有期給付(期間限定)へ変更される方向で検討が進んでいます。将来的に公的保障の手厚さが変わる可能性があるため、今後の法改正の動向にも注意が必要です。
加入中の保険内容を確認する際は、手元に「保険証券」または年に1回届く「ご契約内容のお知らせ(確認時のご案内)」を用意し、以下の5つのポイントをチェックします。昔加入した保険の中には、現在の金利状況では再現できないお得な「お宝保険」が含まれている場合があります。
| 確認項目 | 見るべきポイント | なぜ重要か |
| 1. 契約形態 (誰が・誰に) | 契約者・被保険者・受取人 | 誰が保険料を払い、誰が受け取るかでかかる税金(相続税・所得税・贈与税)が変わります。いざという時に想定外の税金が引かれないか確認が必要です。 |
| 2. 保障内容 (どんな時に) | 死亡、入院、手術、三大疾病、就労不能など | 「病気で働けなくなった時」など、自分がカバーしたいリスクに対して本当に給付金が下りる設計になっているか確認します。 |
| 3. 保障額 (いくら) | 死亡保険金、入院日額、一時金などの金額 | 遺族の生活費や必要な医療費に対して、金額が多すぎないか(保険料の無駄)、少なすぎないか(保障不足)を見極めます。 |
| 4. 保険期間 (いつまで続くか) | 「定期」(10年更新など)か 「終身」(一生涯)か | 定期型(更新型)の場合、更新のタイミングで保険料が大きく上がるため、将来の家計負担を予測しておく必要があります。 |
| 5. 払込期間 (いつまで払うか) | 「終身払い」(一生払い続ける)か 「〇〇歳払済」か | 年金生活に入り収入が減少する老後にも、現役時代と同じ保険料の支払いが続く設計になっていないか確認します。 |
更新型の保険は加入時は安くても、10年ごとなどの更新時に保険料が跳ね上がるタイプがあります。「今の保険料」だけでなく「更新後の保険料」も確認が必要です。また医療保険と自動車保険、火災保険などで「個人賠償責任特約」や「先進医療特約」が重複して付加されており、無駄に保険料を払っているケースが散見されます。結婚や離婚、お子さんの誕生など、ライフステージが変化したにもかかわらず、受取人が昔のまま(親や元配偶者など)になっていないか確認します。
新しい保険に乗り換える目的で解約する場合、「解約」と「新規加入」の順番を絶対に間違えてはいけません。 新しい保険の審査に落ちたり、保障が開始される(責任開始日)前に古い保険を解約してしまうと、万が一その間に病気やケガをしても一切保障されない「無保険期間」が生じてしまいます。必ず「新しい保険の契約が成立(責任開始)してから、古い保険を解約する」ようにしてください。
終身保険や養老保険、学資保険などの「貯蓄型保険」を解約すると「解約返戻金」が戻ってきます。しかし、契約から数年などの早期に解約した場合、戻ってくる金額が、これまで支払った保険料の総額を大きく下回る(元本割れする)ケースがほとんどです。保険会社に「現在の解約返戻金額」を照会し、いくら損をするのか(またはプラスになるのか)を正確に把握してから判断しましょう
「とりあえず解約して、また必要になったら入り直せばいい」と考えるのは危険です。生命保険の保険料は加入時の年齢で決まるため、数年後に再加入しようとすると、以前と同じ保障内容でも毎月の保険料は高くなります。また過去の病歴や現在の健康状態によっては、新しい保険に加入できない、あるいは特定の部位が保障されないなどの「条件付き」になるリスクがあります。
もし、「保険料の支払いが苦しい」という理由で解約を検討している場合は、完全に解約してしまう前に以下の方法が使えないか保険会社に確認してみてください。
延長(えんちょう)保険への変更
以降の保険料の支払いをストップし、その時点の解約返戻金をもとに、保障額はそのままに「定期保険」に変更して期間を短くする方法です。「毎月の保険料の支払いが苦しいけれど、保障や積立は残したい」という場合は、解約以外にも以下の方法があります。
減額(一部解約)
保障額を減らして(例: 死亡保障1000万→500万)、毎月の保険料を安くする方法です。
払済(はらいずみ)保険への変更
以降の保険料の支払いをストップし、その時点の解約返戻金をもとに、同じ種類の保険(保障額は下がる)として継続する方法です。
保険ではなく、資産運用で十分という意見も一理ありますが、そもそもの性質が異なります。
投資信託などの資産運用は、高い利回りで効率よくお金を「増やす」ことに優れています。しかし、最大の弱点は「健康で働き続け、継続して積み立てる(入金する)こと」が前提条件になっている点です。万が一、ガンなどの大病を患ったり、ケガで働けなくなったりして収入が途絶えれば、積立をストップせざるを得ません。最悪の場合、治療費や生活費のために、運用中の資産を(相場が悪いタイミングであっても)切り崩さなければならず、予定していた目標額に到達しなくなります。
一方、生命保険(特に貯蓄型保険)は、単純な利回りでは投資信託に劣ることが多いですが、投資には絶対に真似できない「保険料払込免除」という強力な機能(特約)を持たせることができます。所定の三大疾病(ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)や要介護状態など、働けなくなるような深刻な状態になった場合、それ以降の保険料の支払いが「免除(ゼロ)」になります。また支払いはストップしても、保険会社が代わりに保険料を払い込んでくれるような扱いになるため、保障は一生涯続き、解約返戻金(将来受け取れるお金)も予定通り確実に増え続けます。
つまり、生命保険の払込免除は、万が一の健康リスクによって失われる「将来の入金力」と「資産形成に必要な時間」を保障してくれる機能と言えます。
「投資か、保険か」という二元論ではなく、それぞれの特性を理解して組み合わせる(ハイブリッド戦略)ことが最も強固なマネープランを作ります。
保険営業から新しい保険への「乗り換え(転換を含む)」を提案された場合、現在の契約のメリットを捨ててまで変更する価値があるか、冷静な判断が求められます。特に以下の5点には警戒が必要です。
1. 「転換(下取り)」による見かけの保険料の安さ
現在の保険に貯まっている「解約返戻金」を新しい保険の頭金(下取り)に充てることで、月々の保険料を安く見せる手法がよく使われます。実際には自身の積み立てた資産を切り売りして保険料に充当しているだけであり、多くの場合、将来の解約返戻金は大きく目減りします。
2. 予定利率の高い「お宝保険」の喪失
バブル期や1990年代〜2000年代前半に契約した終身保険や養老保険などは、現在よりも予定利率(保険会社の運用利回り)が非常に高い傾向にあります。これらを一度解約・転換してしまうと、現在の低い予定利率で計算し直されるため、二度と元の有利な条件には戻せません。
3. 健康状態の再告知と「免責期間」のリセット
乗り換えの場合、現在の年齢と健康状態で新たに審査(告知)を受け直す必要があります。健康状態によっては加入を断られたり、特定の病気が保障されない(部位不担保)条件がつくリスクがあります。また、ガン保険の「90日間の免責期間(保障されない期間)」や、死亡保険の免責期間もゼロからリセットされます。
4. 「月額」ではなく「総支払保険料」での比較
提案書で「毎月の支払いが軽くなります」とアピールされても、払込期間が延びていたり(例:60歳払い済みから終身払いへの変更など)、一定期間ごとに保険料が上がる「更新型」に変更されていたりすることで、一生涯に支払う「総額」は大きく跳ね上がっているケースが多々あります。
5. 営業側のインセンティブ構造
既存の保険をそのまま継続してもらうよりも、新しい保険を新規契約(または転換)してもらう方が、営業担当者にとって高い手数料や成績が入るという業界構造があります。そのため、「本当に顧客の家計にとって最適か」ではなく、営業ノルマを背景とした提案が含まれている可能性を常に考慮する必要があります。
提案を受けてもその場で決めずに、角を立てずに断るための伝え方を例文つきでまとめています。
自分にとって生命保険が必要かどうかを客観的に判断するのは、専門知識がないと難しいものです。そこでおすすめなのが、「保険商品を販売しない中立なファイナンシャルプランナー(FP)」への相談です。
「どの保険に入ればいいか」ではなく、「そもそも自分に保険が必要か」という根幹から相談できる点が大きな魅力です。「保険は悪で資産運用は正義」というのも暴論です。様々な角度から公平中立な立場で相談ができるFPに相談することが有効です。
相談先のFPが本当に中立かを見分けるポイントと、独立系FPの探し方を詳しく解説しています。
得意分野・エリア・オンライン対応などの条件から、保険を販売しない独立系FPを探して相談できます。
お客様に必要がなければ商品を販売しない、という理念に基づいた独立系の有料相談で活動するFPが登録していますので、ご自身の悩みや要望に合ったFPを探すことが可能です。
最後に、この記事の要点をまとめます。
「生命保険はいらない」という言葉を鵜呑みにせず、ご自身のライフスタイルと資産状況に合わせた選択をすることが大切です。生命保険がいらないかどうかは、家族構成・貯蓄・公的保障によって一人ひとり答えが違います。ネットの意見だけで解約を決めず、まずは自分に必要な保障額を知ることから始めましょう
「自分の場合はどうなんだろう?」「無理のない家計設計を相談してみたい」と感じた方は、保険の販売を目的としない中立な専門家に一度相談してみてはいかがでしょうか。
監修者情報:芳川 宏輔

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保険保険の見直しに最適なタイミングとは適切なタイミングで見直すことで、無駄な支出を削減しながら必要な保障を確保できます。 保険の見直しの必要性 以下のような理由から保険の見直しが必要になることがあります。