監修者情報:芳川 宏輔

株式会社ウィンカム 取締役
CFPⓇ認定ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー
金融商品・保険商品を一切販売せずコンサルティングに徹するFP。
保険・住宅ローン・資産運用・NISA等サポートは多岐に渡る。
100世帯以上の顧問FPをし、延べ相談実績は400回を超える。
投資を始める前にお金の勉強をしたいと思っても、本やYouTube、SNSには情報があふれていて、「結局、何から手をつければいいの?」と迷ってしまうことはありませんか。特に20代〜40代の働き盛りの方は、毎日が忙しく、タイパ・コスパよく学びたいと感じていることでしょう。
結論からお伝えすると、お金の勉強には順番があります。いきなり「どの株を買えばいいか」といった投資の知識から入るのではなく、まずは「自分のお金の現状を知る」ことから始めるのが、遠回りをしない一番の近道です。
この記事では、お金の勉強を始める前の心構えや、なぜ今学ぶ必要があるのか、そして初心者の方でも無理なく進められる「正しい勉強のロードマップ」と「具体的な勉強方法」を分かりやすく解説します。
監修者情報:芳川 宏輔

株式会社ウィンカム 取締役
CFPⓇ認定ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー
金融商品・保険商品を一切販売せずコンサルティングに徹するFP。
保険・住宅ローン・資産運用・NISA等サポートは多岐に渡る。
100世帯以上の顧問FPをし、延べ相談実績は400回を超える。
「お金の勉強」=「投資・資産運用の勉強」と思われがちですが、実はお金の知識は投資・資産運用を超えて、生きる上で非常に重要です。金融リテラシーが高まることは、単に「お金が増える」という結果以上に、「人生の選択肢が増え、将来への不安が消える」という根本的な変化をもたらします。
リテラシーが高まると、世の中に溢れる情報を正確に判断できるようになります。結果として、不要な民間保険への加入、リボ払いや高金利な借入、あるいは「元本保証で高利回り」といった投資詐欺を未然に防ぐことができます。金融リテラシーの向上は自らの資産を守る最強の盾になります。
またお金の勉強は大きく分けると「使う・貯める・守る・増やす」の4つの分野に分かれています。「増やす(投資)」はその中の一部にすぎません。いきなり「増やす」から入ってしまうと“知識の土台”がないまま進むことになり、少しのつまずきで家計全体が揺らいでしまいます。まずは全体像を知ることが大切です。
え?いきなり使うことから?と驚かされたかもしれません。そうなんです。ここが一番大切です。
なぜお金の勉強をするのでしょうか?なぜ「増やす」のでしょうか?
それはきっと最終的なゴール(目的)があるからだと思います。目的のない貯蓄・目的のない運用は結果として継続することが難しくなるからです。なのでまずは「なぜ勉強をするのか」「勉強した上で何を目指すのか」を明確にしてから始めましょう。
次にご自身の収入・支出・貯蓄・ローンなどの負債を把握をしましょう。机上の空論より、自身に置き換えた方が、より実感を得られると思います。現在の収支状況はどうなっているのか。貯蓄状況はどうかなどを把握することで「何をまず勉強すべきか」が大きく変わります。毎月の家計が赤字傾向の人と、ある程度貯蓄が増えてきた人とでは、優先して取り組むべきテーマが違うからです。
情報に溢れ、また日々アップデートされている状況の中で、お金の勉強を完璧に理解するのは不可能です。まずは「経済やお金に関する本を1冊読んでみて、できそうなことから始める」「家計簿アプリを入れて使ってみる」など、インプットとアウトプットを並行させるのが知識を定着させる近道です。
また、学ぶ際は「誰が・何の目的で発信している情報か」という視点を少しだけ意識してみてください。これについては、のちほど詳しく解説します。
学んで実践する中で、「理論通り貯蓄が全然できない」「理解したつもりで投資したけど失敗してしまった」といった失敗を経験することもあるかもしれません。しかし、実はその失敗こそがとても大切です。
学んでから経験する小さな失敗は、将来の大きな損失を防ぐための材料になります。最初からうまく行く人はほとんどいません。少しずつ軌道修正しながら、ご自身に合ったやり方を見つけていけば大丈夫です。
「お金の勉強をした方がいいのは分かっているけれど、なぜ必要なの?」と感じている方へ向けて、学び、金融リテラシーを高めるメリットと始めるタイミングをお伝えします。
金融リテラシーを高める一番のメリットは、経済的な自立に近づくからです。学ぶことで、やるべきことが少しずつ明確になり将来に対する「漠然とした不安」が「具体的な行動、数字」に変わっていきます。
また、お金を「貯める」「増やす」力が身につけば、NISAや企業型確定拠出年金(DC)、iDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度を賢く活用できるようになります。物価上昇が続く今の時代、「預金だけ」では実質的にお金の価値が目減りするため、資産を「増やす」知識は欠かせません。
さらには「元本保証で毎月高利回り」といった怪しい話を見抜いて金融トラブルや詐欺から身を守ったり、保険やローンで「知らずに損をする選択」を避けたりすることもできます。結果として、転職、住宅購入、子育てなど、お金を理由に人生の選択肢を諦めない強さが手に入るのです。
結論から言えば、「いまこの記事を読んでいる今」がベストなタイミングです。お金の知識は早く身につければ身につけるほど、自分で自分の人生をコントロールできるようになります。例えば、余計な支出を見直すことで余剰資金を生み出すことができます。資産運用では、複利を活用すること(運用で得た利益がさらに利益を生む仕組み)や「時間」を味方につけることができます。
年代によっても学ぶべき重点は変わり、例えば20代は人的資本の育て方や資産形成、30〜40代は教育費や住宅購入。50代以降は老後資金や退職金の準備といったテーマが中心になります。
もちろん「もう遅いかも」と焦る必要はありません。何歳からでも、お金の勉強を始めるのに遅すぎることは決してありません。またお子様がいる家庭は、ぜひ子供と一緒にお金の勉強をしてください。こどもNISAも2027年1月からスタートするので、活用しましょう。子供の金融リテラシーが上がることは必ず将来その子のためになります。
まずは将来の夢や目標(ゴール)を思い描くことが起点になります。結婚、住宅購入、教育、老後などのライフイベントと、それに必要な金額を時系列で整理(ライフプラン表の作成)します。

これをすることで「いつ・何に・いくら必要か」が見え、このあとのSTEP2〜4でお金を貯めて、守り、増やしていくのかが明確になります。目的のない行動は必ず行き詰まり途中で終わってしまいます。何のために学び・行動するのかを決めてからスタートしましょう。
ライフプランづくりを独立系FPに相談するメリットや費用の目安、人生のステージ別に相談できるFPを紹介しています。
STEP1でゴールを決めたら、次にやることは家計簿アプリなども活用し毎月の収入と支出、現在の貯蓄・運用額、ローンなどの負債を書き出します。(バランスシート下記参照)

その上で「毎月いくら手元に残るか」「何にいくら使っているか」を把握することでゴールに対するギャップを測定することができます。現状が分からないと、現実的な貯蓄目標も、投資に回していい金額も決められないからです。
ゴールを定め、現状を把握すれば、自ずとやるべきことが明確になります。毎月の収支が赤字であれば固定費を見直す。収支は黒字でも、毎月ほとんど貯蓄ができていなければ給与が入ったら先に貯蓄に回す「先取り貯蓄」を始める。また「生活防衛資金(生活費の半年~1年分が一般的な目安)」が貯まっていなければまず生活防衛資金を確保します。
相談現場でよくお見受けするのが、生活防衛資金がないまま投資を始めてしまい、急な病気や家電の故障で現金が必要になり、やむを得ず値下がり中の投資信託を売却して損をしてしまった…というケースです。投資を始める前に、必ず現金のクッションを持っておく必要があります。
次に貯めたお金を守ることです。貯めたお金を守るというのは物理的に金庫に入れるなどではなく、無駄な支出をしないことを指します。例えば民間保険。保険はかければかけるほど保障が厚くなる一方で、保険料も高くなります。そこで高額療養費制度や遺族年金、傷病手当金といった「公的保障」の仕組みを知ることが重要です。民間保険は「公的保障で足りない分だけ」を備えるように見直します。また合わせて、詐欺やトラブル予防の基本も学びます。(参考:[投資詐欺を見分ける方法])典型的なポンジスキームなどに絶対に引っかからないようにしましょう。
公的保障を確認し、保障の重複を避けることで、投資に回すための原資が生まれます。また、リスクの正体を理解しないまま増やすステップに進むと、思わぬ失敗につながりやすくなります。
STEP1~4を理解し実行した上で、最終的に資産運用に取り組んでいきます。投資の王道である「長期・積立・分散」の考え方と、リスクとリターンの関係を学びます。あわせてNISAやiDeCoといった税制優遇制度の基本を理解します。(参考:[NISAのつみたて投資枠とは?] / [iDeCo(イデコ)の仕組みはどうなっている?])
STEP1で決めたゴールに向けてどのくらいギャップがあるのか、そのギャップを埋めるために「いくら必要なのか」「その金額を得るためにはどのくらいのリターンが必要になるのか」「そのためにはどのくらいの期間運用するか」をシミュレーションします。金融庁でも無料で使えるシミュレーションがあるので活用するといいでしょう。(参考:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/)
ここでの注意点はSTEP3で準備した生活防衛資金や、数年以内に使う予定のあるお金は絶対に投資に回さないでください。
NISAの仕組みや証券会社ごとの違いを、もう一歩くわしく知りたい方に向けた解説記事です。
勉強のロードマップが分かったところで、具体的な「勉強方法」をご紹介します。ご自身のライフスタイルに合うものを組み合わせてみてください。
各省庁のサイトや金融経済教育の中核機関である「金融経済教育推進機構(J-FLEC)」のWebサイトでは、無料の動画教材や中立的な情報が提供されています。金融庁のサイトなども含め、これらは信頼性が高いためおすすめです。制度の最新情報などは、誰かの解釈が入る前の「一次情報(公式サイト)」で確認する習慣をつけると確実です。
本はお金の基本を体系的に学ぶのに適しています。特におすすめなのが、資産運用のテクニック本などではなく、「経済学」「地政学」など経済全体を把握できる本がいいでしょう。初心者の方は、文字ばかりのものではなく、図解やマンガ形式で解説されている読みやすいものからで十分です。筆者のおすすめは田内学さん・本田健さんです。読みやすく本質を突いていることが多いので、ぜひ読んでみてください。
YouTubeやInstagramなどのSNSは、手軽で分かりやすい反面、非常に注意が必要です。有益な情報がある一方で、極端な意見や、特定の金融商品の販売・アフィリエイトへの誘導が混在しているからです。
「必ず儲かる」「今だけ」といった表現や、DMでの直接の勧誘には十分注意してください。(参考:[投資詐欺を見分ける方法])誰が何の目的で発信しているのかを必ず確認しましょう。その中でも、有益な情報を発信しているのは「リベラルアーツ大学両学長」は特定の商品やサービスのポジションがないため、おすすめです。
インプットと合わせてアウトプットで学ぶという意味では、家計簿アプリをつけてみるのは非常に有効です。STEP1・2の現状把握や仕組みづくりと非常に相性が良い方法です。ただし無料家計簿アプリも広告宣伝や個別相談への移行(多くが保険の加入へ繋げる)もあるので注意して使用しましょう。
子供の金融教育のスタートは家庭からです。子育て中の方であれば、日常の買い物やお小遣い帳のつけ方などを通して、お子さんと一緒にお金の勉強をするのも素晴らしいでしょう。子どもに教えることで、親であるご自身の理解も自然と深まります。お金の話を家庭内のタブーにせず、一緒に考える機会を作ってみてください。
日本FP協会や全国銀行協会などが開催しているセミナーではその場で専門家に直接質問できたり、体系的に学べたりするのがメリットです。市民公開講座なども有効でしょう。一方で、民間が開催している無料セミナーの場合、その後の「無料個別相談」が、保険や特定の金融商品(不動産など)の販売を目的としているケースも少なくありません。主催者がどうやって利益を得ているのか(収益構造)を事前に確認することが大切です。
実務家ファイナンシャルプランナーとして、一番皆さんに進めたいのがFP3級の勉強です。高校の必修科目にしてほしいと心から思っているくらいです。ファイナンシャルプランニングを学ぶことでライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックス、不動産、相続という「お金の6分野」を網羅的に学べます。市販のFP3級のテキストを1冊購入してぜひ勉強してみてください。
これまでの学習方法を試し、更に踏み込んで「一般論」を、「自分」に当てはめ、行動を起こそうと思ったら、一度お金のプロである有料相談FPに見てもらうと、理解が一気に深まり、人生の解像度が高まります。
「何から勉強すべきか分からない」という段階で相談してもまったく問題ありません。金融商品を販売しない「有料相談型のFP」であれば、保険や投資信託の勧誘を受ける心配がなく、純粋な「勉強の延長」「現状の整理」として中立なアドバイスを受けることができます。
資産運用を得意とする独立系FPを、相談の流れや料金の目安とあわせて紹介しています。

お金の勉強は何から始めればいいか迷ったら、まずは夢や目標といったゴールを設定することがスタートです。正しい順番で一歩ずつ進めば、お金の不安は着実に小さくなっていきます。
今日からできる最初の一歩始めてみませんか?
自分の家計に当てはめて考えたい方は、金融商品を販売しない中立なFPへの相談も選択肢の一つです。資産相談ドットコムでは、商品を売らない中立な立場からオーダーメイドのマネープラン作りをサポートしています。ぜひお気軽にご活用ください。
監修者情報:芳川 宏輔

株式会社ウィンカム 取締役
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