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老後資金が貯まらない?FPに相談すべき理由とは?

ひと昔前にニュースで「老後2000万円問題」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。当時はただ「2000万円」という数字だけが独り歩きし、漠然とした不安に襲われたものの、実際にどうすればいいのかは分からず、そのままなんとなく過ごしている。そんな方は少なくないはずです。

老後資金がどのくらい必要かは「人によって大きく違う」のです。これまで築いてきた資産や受け取れる年金や退職金、ローンの返済状況、満足できる生活水準を保つために必要な生活費…これらによって必要額は変わります。
この記事では、老後資金がどのくらい必要かを理解するための視点や、年代ごとの準備のポイント、相談先の選び方までをまとめました。そして、「ライフプラン全体を踏まえて老後資金を考えたい」と思った方には、ファイナンシャルプランナー(FP)に老後資金を相談することの価値についても、しっかりお伝えします。

FP情報:芳川 宏輔

株式会社ウィンカム
CFPⓇ認定ファイナンシャルプランナー
金融商品・保険商品を一切販売せずコンサルティングに徹するFP。
保険・住宅ローン・資産運用・NISA等サポートは多岐に渡る。
年間200回以上の面談を実施し、延べ相談実績は1000回を超える。

なぜ老後資金の準備が必要なのか?

「公的年金があるのに、老後資金を自分自身で準備しないといけないのだろう」と感じる方もいるかもしれません。実は、公的年金だけでは老後の生活費を補えない可能性があるのです。

公的年金だけでは「不足する可能性」がある現実

2019年に金融庁が公開した「高齢社会における資産形成・管理」の報告書では、、65歳で引退した夫婦世帯が年金だけで生活すると収支が毎月赤字になり、それを補うと30年で約2000万円が必要というシミュレーションが示されました。これがいわゆる「老後2000万円問題」です。

ただし、この報告書は「平均的な高齢夫婦世帯(年金収入 ≒ 21万9千円、支出 ≒ 26万円)」を前提に試算しています。⇒月約5万円の赤字 × 12ヶ月 × 30年 ≒ 約2000万円という計算です。しかし、実際には生活費や年金額は人によって大きく異なります。持ち家があれば家賃負担が少ないですし、年金加入期間や働き方次第で年金受給額が大きく変わります。また 医療費・介護費等は個人差が大きいなど。つまりこの「2000万円」はあくまで一つの参考値(モデル)であり、「必ず必要な金額」ではありません。

「人生100年時代」と高齢期特有のリスク

最近の家計調査では、平均的な不足額も変わってきています。例えば、支出と年金収入との差が以前より縮小したという試算もあり、30年で約1000万円前後という例もあります(モデルによる)。

一方で、物価上昇や長寿化の影響で「2000万円でも十分ではない」という見方や、必要額が3,000万~4,000万円規模になる可能性を指摘する専門家もいます(モデルや前提条件による)。

平均寿命の伸びにより、退職後に30年~40年と生活を続ける可能性も高く、物価の上昇(インフレ)によって、今の感覚では「なんとかなる」と思っていたコストが将来的には増えてくる可能性があります。

だからこそ、事前になるべく早めに準備を始める価値がある

「いくら必要か分かっていないまま定年を迎え、後になって足りないことに気づく」という状況は、できるだけ避けたいものです。老後に入るタイミングで「自分のケースではどのくらい必要か」を把握しておくと、実際の準備はずっと楽になります。

老後資金はどのくらい必要?

上述の報告書が出て以降、「老後には2000万円が必要」という言葉が浸透しました。しかし実際には「全員が2000万円必要」ということではありません。必要額は、ライフスタイルや家族構成、住まいの状況によって大きく変わります。

先ほどお伝えしたように、2019年に金融庁が公開した「高齢社会における資産形成・管理」の報告書によると「2000万円」は、高齢夫婦無職世帯の平均的なデータから算出した一つの例です。実際には、公的年金の受給額や私的年金の有無、収入の有無、支出のパターンが異なれば、必要額も大きく変わります。

必要額は「収入」と「支出」の差額で変わる

老後資金の必要額を考える際には、大きく2つの視点があります。
まず「収入面」では、退職金の有無、公的年金の受給額や私的年金の有無、リタイア後も再雇用やパート収入等がどのくらいあるか。これまで築いてきた資産がどのくらいあるのか。そして「支出面」として、毎月の生活費(住居費・食費・通勤費など)や医療費・介護費、趣味や旅行に使うお金、子どもや孫への援助などがどのくらいかかるか。
この収入と支出の「差額」が、老後資金の必要額になります。また置かれている状況(賃貸か持ち家か(ローン完済済みか)、夫婦か単身か、趣味や旅行をどのくらい楽しみたいか)や、年金の受取方法(繰り下げ・繰り上げ)。これらが組み合わさると、必要額は「数百万円」から「数千万円」まで幅が出る場合があります。


ざっくりイメージのしかたとして

今の生活費を基準に、「定年後にどのくらいかかるか」と「退職後に何年生きる想定か」を試算するのが、一番シンプルな方法です。たとえば、現在の生活費はいくらで、それが30年続く場合いくらになるかという計算になります。
ただし、この計算はざっくりシミュレーションなので、より具体的な数値に落とし込んでいくには「年金がいくらもらえるのか」「退職金がいくらあるか」「住宅ローンの残債と、期間がどのくらい残っているか」などを踏まえる必要があります。
そのためにも、よりリアルなシミュレーションをするにはファイナンシャルプランナー(FP)に依頼することが、とても大切になります。この点について、後ほど詳しくお伝えします。

年代別の老後資金の準備のポイント(年代別の貯め方)

「老後資金の準備」と言われても、年齢によっては感じ方が様々です。準備は大切だとわかっていても「今の自分の年齢ではまず何をすればいいのかが分からない」そんな方のために、年代ごとのポイントをまとめました。

20〜30代:まずは「土台づくり」と「時間」を味方にする

この年代のポイントは、まずは資産運用を「始めること」です。生活防衛資金もなるべく最低限(生活費の3ヶ月分)を確保しつつ、少額であっても資産運用(NISAなど)を早めに開始することが大切です。また自己投資にも費用をかけることも忘れてはいけません。自己資本(スキル・経験)に投資することで将来の給与収入に好影響を与えます。資産運用は少額で始め、収入が上がるにつれて、徐々に積立額を増やすイメージです。40代以降が苦しいか楽かは、この土台づくりに大きく左右されます。

40代~:「老後資金」と「教育・住宅資金」との両立をどうするか

40代は、住宅ローンの返済に加えて、教育費のピークと老後資金の準備が重なりやすい時期です。生活防衛費を少し厚め(6ヶ月~1年分)に確保し、更に「家計のムダを見直す」という視点が大切になります。こどもが大きくなっていれば過剰な保険の見直しや通信費など固定費の見直し、住宅ローンの借り換えも検討しましょう。収入が上がってきている状況であれ「いま」のお金も収支で確保しつつ「老後資金に回せる枠」を少しでも作る工夫が必要です。

また、収入が上がっているタイミングでiDeCo・DC(企業型確定拠出年金)など所得控除のある制度の活用を検討しましょう。税負担を減らしながら老後資金を積み上げる手段として検討する価値があります。

50代〜:「ラストスパート」と「守り」のバランス

50代になると、退職金や年金の見込み額がかなり具体的になってきます。この時期のポイントは、「積極的な資産形成」よりも「老後を見据えた守備固め」にシフトチェンジするタイミングです。資産運用の考え方は「積極的に増やす」こと以上に「減らさない」ことを意識し、リスクリターンのバランスをより保守的にしていくことが大切です。

また、定年後の働き方(再雇用・パート・個人事業主)も含めて、収入の柱を考えておくと、老後の見通しが変わっています。

60代〜:「無理しない等身大の生活」を意識

60代といえど、人生100年時代、まだまだ先は長いです。これまで積み上げてきた資産+収入(公的・私的年金、労働収入)をいかに上手に運用しながら取り崩していくのかが重要です。無理して慣れない資産運用に手を出したり、一念発起して急にビジネスを立ち上げると一気に全てを失いかねません。無理せず等身大の生活を意識しましょう。合わせて終活相続について

年代に関わらず共通で大切なこと

老後資金だけにフォーカスして「点で見る」のではなく、教育費や住宅費用、収入UPのためのキャリアとセットで「人生全体」を考える俯瞰の視点を持つことが重要です。これが、老後資金の準備を無理せず続けるための鍵になります。

老後資金の主な相談先

「老後資金について相談したい」と思ったとき、「誰に相談すればいいの?」という疑問を持つ方は多いです。いくつかの相談候補と、その特徴をまとめます。

金融機関の窓口

一番身近な存在は金融機関でしょう。資産運用や退職金運用についての相談を窓口ですることができます。ただし、取り扱う商品は自社や提携先の金融商品を中心になること。手数料が高い傾向にあること、幅広い視点での比較にはやや向かないことなど注意すべきポイントもあります。

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)

複数の金融商品の中から、比較的中立的な視点で提案してくれる立場です。資産運用や退職金の「運用」に特化した相談に向いています。

保険ショップ・保険代理店

老後資金のための積立型の保険や老後の保障(医療や介護、死亡に対するカバー)について相談ができます。一方で、最終的なゴールは「商品を販売すること」なので細かい情報(住宅ローンの残債や金融資産、今後のライフプランなど)包括的な視点でのアドバイスは、別の視点が必要になることがあります。

自治体の無料相談

昨今多くの自治体では、年金相談会などを定期的に開催し、相談できる環境しています。ただし、年金の受け取り方などの制度自体の説明や自治体独自の補助金助成金についての相談が主で、資金計画については、対応が難しい場合があります。

ファイナンシャルプランナー(FP)

老後資金・年金・保険・投資・住宅ローンなど、家計全体を横断して相談できるのが最も大きな特徴です。

この中でも、「ライフプラン全体を踏まえて老後資金を考えたい」という方には、ファイナンシャルプランナー(FP)に老後資金を相談することで、より安心感を得やすい場合があります。つぎのセクションで、そのメリットについて詳しく見ていきます。

FPに相談をするメリット

ファイナンシャルプランナー(FP)に老後資金を相談すると、以下のような効果が期待できます。

現状把握を一緒にしてもらえる

FPのスタート地点はまずは現状の把握からです。収入・支出・資産・負債のバランス(個人のバランスシート)を見える化し、その上でキャッシュフロー(収支バランス)を確認していきます。支出の中身に無駄はないか(特に住宅ローンの金利や加入中の保険料など)を丁寧に整理し、「家計の今」を見える化します。これが、全てのスタートポイントになります。

「目標額」が具体的になる

更には年金定期便やねんきんネットを利用して公的年金の見込み額を確認したり、退職金や金融資産残高も踏まえて、「何歳からいくらくらい必要か」「毎月いくらくらい足りないのか」をキャッシュフロー表を使って整理してもらえます。「漠然とした不安」も「数値化して見える化」することで目標金額を明確になります。

自分に合った「貯め方」「運用方法」が決まる

貯蓄や投資(iDeCo・NISA)、退職金の運用方法などを、個々の置かれている状況やリスク許容度に応じて組み合わせて提案してもらえます。

家計のムダを見直し、積立の余力を作る

保険や通信費、サブスクリプションなどの固定費を見直すことで、毎月の積立額を増やす「余力」が生まれるケースも多いです。FPはこうした見直しにも対応してくれます。

「不安」が「安心」に変わる

最大のメリットは「老後の漠然とした不安」から、現状分析と対策を立案することで「この対策を実行していけば、老後の生活には問題がない」という状態に変わると、精神的にも大きな安心感になります。これが、FP相談の大切なメリットの一つです。

FPに相談した方がいい理由

「FPに相談するメリットは分かった。でも、自分は本当に相談すべき?」と感じる方もいるかもしれません。以下のような状況に当てはまる方は、特にファイナンシャルプランナーに相談する価値が高いでしょう。

  • 「教育費や住宅ローンもあり現状が大変で将来の老後資金も含めた全体のバランスが見えない」という方
  • 金融資産残高が少なく、更に会社の退職金も少ない方
  • 逆にこれまで預貯金でしかお金を貯めて来なかった方
  • インターネットや本で情報を集めても「自分のケースではどうなのか」が結局わからない方。

こうした状況にある方には、第三者であるFPと一緒に考えることで、自分だけでは見えなかった「全体像」が見えるようになります。

老後資金はイメージするのが難しいからこそ、専門家に相談する必要があります。老後資金を準備をしておらず、悲惨な老後生活を余儀なくされる方も多くみてきました。だからこそ、手遅れになる前に早めにファイナンシャルプランナー(FP)に老後資金と家計全体を相談する価値は高いと言えるでしょう。

FPの選び方

ファイナンシャルプランナーと一括りにしても、専門領域、対応可能な相談には幅があります。つまり「誰に相談するか」で結果が変わることもあるため、選び方のポイントも把握しておくと安心です。

所属やビジネスモデルを確認する

金融機関や保険会社・証券会社に勤務するいわゆる企業系FPと、企業に属さない独立系のFPでは、対応の幅や視点が異なります。特に商品販売がなく、公平中立な立場で「家計全体」を相談したい場合は、独立系のFPに相談する方が、中立な立場からアドバイスを得やすい場合があります。

老後資金・ライフプラン分野の実績を確認する

プロフィールやコラム、相談事例などから、老後資金や退職金運用・年金に関する実績があるかを確認できます。「自分と近い状況に対応してきた経験がある」かどうかが、安心感につながります。

相談内容の範囲を確認する

最初の相談の入り口は「老後資金」かもしれませんが、老後資金捻出のためには、収支バランスや資産運用サポート、また教育費や住宅ローンとのバランス、保険の加入や中止など多岐にわたる相談に広がる可能性が大いにあります。老後資金だけでなく、幅広い相談内容に対応可能かどうかを確認しておくと、スムーズに相談できます。

料金体系が明確かどうか

有料相談の場合は、初回相談の料金や、ライフプラン作成費用・年間の顧問契約の費用や期間、範囲が明確に示されているかを確認しておくと、安心して相談できます。

相性も大切にする

話しやすい雰囲気か、伴走してほしいと思えるかなど、「長く付き合えるか」という感覚も大切です。初回相談で「この人と一緒に考えられそうか」を感じてみてください。

なぜ有料FPがいいのか?

CMやSNSなどの広告では無料相談を実施している企業もあり、「無料でも相談できるのに、あえて有料で相談する必要があるかな?」と思う方もいるかもしれません。なぜ有料FPに相談するといいのかについて説明します。

ビジネスモデルの違い

無料の相談は、保険や投資商品の販売による手数料や、紹介料で収益を得ている構造が一般的です。一方、有料FP相談では「クライアントからの相談料」が主な収入源であり、商品の販売で収益を得る構造ではない形になっています。

「販売しない」からこそできる提案

老後資金を捻出し、形成していくという視点から、保障が過多になっている不要な保険を減らしたり、やめたり、高コストのアクティブファンドをやめたり、リスクリターンのバランスを考慮して、ポートフォリオを見直して、リスク資産(株式)の割合を減らすといった提案も、商品の縛りがない有料FPの方がしやすい立場にあります。「あなたにとっての最適」を、商品の売り上げに左右されず提案できるのが最も大きな強みです。

「設計」に時間をかけられる

キャッシュフロー表の作成や将来のシミュレーション・定期的な見直しなど、手間のかかる「設計、相談業務」にしっかり時間を割いてくれる点も、有料FPの大きなポイントです。

老後資金を本気で整えたいなら、「無料で聞ける範囲の情報」ではなく、あなたの人生に合わせて設計されたプランに対して費用を支払うという発想も、ぜひ選択肢の一つとして考えてみてください。

相談する前に必要な準備

では実際に「FPに相談したい」と思った際には、あらかじめいくつかの情報や気持ちを整理しておくと、相談がよりスムーズになります。※詳しくはFP相談してみたの記事をご参照ください。※リンク貼り付け

現在の家計の情報

収入(世帯合計)、支出のざっくりした内訳(固定費と変動費)、貯蓄や投資の現在の残高、住宅ローンやその他のローンの残高、加入している保険の情報を整理して、把握しておくのが理想的です。

老後資金に関連する情報

「ねんきん定期便」や「年金ネット」などで確認できる年金の見込み額と、退職金の制度や見込み額(あれば)を確認しておくとより具体的な相談をすることが可能です。

老後のイメージや希望

また多くの方が後回しにしてしまいがちですが、「老後をどう過ごしたのか」を金額・時間の制限に捉われず、漠然としたイメージでいいので描いておくことです。趣味や旅行・子どもや孫への援助はどのくらいしたいかなど、理想的な老後の姿をイメージしておきましょう。

「不安なこと」を何個でも書き出す

たとえば「老後の生活費はいくらあれば安心なのか分からない」「住宅ローンと老後資金の両立が不安」「親の介護や相続も心配」といった、頭の中にある不安を書き出しておくと、FP側も優先順位をつけてアドバイスしやすくなります。

すべて完璧にそろえなくても大丈夫です。「分かる範囲」で整理しておくだけでも、ファイナンシャルプランナーとの老後資金の話し合いがぐっとスムーズになります。

まとめ

老後資金は、一律「2000万円」ではなく、年金額やライフスタイル、住まい方によって必要額が大きく変わります。現在の家計と将来のキャッシュフローを見える化することで、「自分のケースでどのくらい必要か」が分かるようになります。

金融機関や証券会社・IFA、保険会社など、様々な相談先がある中で、ライフプラン全体を考えたい人にとっては、ファイナンシャルプランナー(FP)に老後資金を相談する価値が大きいといえます。

無料FPと有料FPの違いを理解し、「本気で老後資金と家計を整えたい」と感じたなら、条件に合う有料FPに相談する選択肢も十分考えられます。

老後資金は、「なんとなく貯めていれば何とかなる」という金額ではありません。だからこそ、一度ファイナンシャルプランナー(FP)に老後資金と家計全体を相談し、「あなたの人生に合った老後資金のロードマップ」を一緒に作ってみてはいかがでしょうか。

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