監修者情報:芳川 宏輔

株式会社ウィンカム 取締役
CFPⓇ認定ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー
金融商品・保険商品を一切販売せずコンサルティングに徹するFP。
保険・住宅ローン・資産運用・NISA等サポートは多岐に渡る。
100世帯以上の顧問FPをし、延べ相談実績は400回を超える。

この記事は25年12月20日時点の最新情報*「非課税上限600万円」まで網羅しています
NISA(少額投資非課税制度)に関し、18歳未満に対象を広げる「こどもNISA」制度を創設する方向で政府・与党が調整していることが分かりました*12月1日。


未成年の子どもを対象とした新たなNISA制度、通称「こどもNISA」の
最新内容と狙いについて専門家の視点から解説します。
監修者情報:芳川 宏輔

株式会社ウィンカム 取締役
CFPⓇ認定ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー
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| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 投資対象 | 長期分散投資に適した投信 | 上場株や投信など幅広く |
| 年間 投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 総限度額 | 1800万円 | |
| うち1200万円まで | ||
| 対象年齢 | 18歳以上→ 未成年も可能に 上限は別途設定 | 18歳以上 |

NISAの口座開設対象を現行の「18歳以上」から「0歳の乳児」まで拡大し、未成年でも利用できるようにする。
親や祖父母が子や孫名義で口座を開設し、運用管理を行う想定です。
最大の特徴が「引き出しは12歳以降から可能」とする案です。
従来のジュニアNISAでは原則18歳まで資金を引き出せませんでしたが、この制限を見直し、必要な時期に柔軟に資金を引き出せるようにする方向です。
例えば中学進学(12歳)以降であれば教育費が本格的にかかるため、そのタイミングから必要資金を取り崩せるようにする狙いがあります。
政府は2026年度から、NISAの「つみたて投資枠」を18歳未満でも利用できる方向で最終調整しています。
現状では年間投資額は60万円、非課税で保有できる総額は600万円までで調整が進められています。
親や祖父母が資金を拠出することを前提に、過度な格差が広がらないよう上限を設定した形です。
0歳から毎年60万円を積み立て、18年間運用 すれば、年3〜5%の運用でも相当な教育資金へ成長します。

今回は子ども枠の上限に関する設計であり、現行NISAとは別枠での管理となります。
つまり、親のNISA枠を圧迫せずに、子供名義で非課税運用できる点は大きな利点。
早く始めるほど複利効果は大きく、18歳までの時間を味方につけやすいため、子どもの将来資金づくりに適しています。
一方で、親のNISAとは別枠になるか、贈与扱いがどうなるかなど「制度の細部」は今後の正式発表を待つ必要があります。
家計としては、教育費の現金準備と長期投資のバランスを取ることが重要です。
2026年度税制改正大綱へ盛り込まれ、2027年よりスタートします。

12.20(土)~1.4(日) 毎日開催!
こどもNISA等の制度やその情報が多く、
ご自身の家庭での判断に迷う方も。
”中立・有料相談型FP”のフラットな立場で、
制度やお金の考え方のポイントを徹底解説。
「こどもNISA」の検討にあたっては、過去のジュニアNISAの反省点が考慮されています。ジュニアNISAは2016~2023年に実施されていた未成年向けNISA制度ですが、原則18歳まで払い出し不可という厳しい制限がネックとなり、利用者が想定ほど伸びず、結果として2023年に制度が廃止されました。
今回検討中の「こどもNISA」では、この引き出し制限を大幅に緩和することで利便性向上を図っています。例えば「12歳から引き出しOK」といった柔軟な運用を可能にし、教育目的に限らず幅広い用途で子どもの資金を活用できるようにする案が出ています。これにより、「せっかく非課税で運用しても子どもが18歳になるまで使えない」という従来の不便さを解消し、子育て家庭が必要な時に必要な資金を引き出せる実用的な制度となることが期待されています。
また、ジュニアNISAでは毎年80万円まで投資可能(累計400万円まで)でしたが、非課税期間は購入から最長5年という制約もありました。新しい「こどもNISA」では非課税期間は無期限(恒久化)となる見込みで、長期にわたって運用益非課税の恩恵を享受できます。年間投資枠は60万円案とやや縮小されるものの、生涯非課税投資総額600万円まで運用を続けられる点で、子どもの将来に向けたより長期・計画的な資産形成が可能になると言えるでしょう。
まず前提として、NISAとは「少額投資非課税制度」の略称です。株式や投資信託などで得た利益が一定枠まで非課税となる国の制度で、現行制度では18歳以上が利用できます。
日本ではNISA口座数が約2,700万口座に達するなど多くの人が資産運用に活用しており、2024年からは非課税枠の大幅拡充・恒久化(いわゆる「新NISA」)も実現しました。
NISAの魅力は、得られた運用益に税金がかからないことで効率的に資産形成できる点です。
通常、株式や投資信託の売却益や配当に対して20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内の取引であればその課税がゼロになります。
例えば、年間40万円を5%の利回りで運用して得られる約2万円の利益も非課税となり、長期では大きな差となります。
ただしNISAには年間投資額や生涯の投資上限額が定められており、一般NISA(2023年まで)や新NISA(2024年以降)ではそれぞれ異なる枠組みが設定されています。
※NISAは株式や投資信託の運用益が一定金額まで非課税となる制度。
現在は18歳以上が対象ですが、政府はこの対象年齢を18歳未満の子どもにも広げる方向で検討している。
政府が「こどもNISA」を検討する背景には、少子化対策や子育て支援の一環として子育て世帯の資産形成を後押ししたい狙いがあります。具体的には以下のような目的が挙げられています:
特に①の教育資金支援は切実です。
文部科学省の調査によれば、公立・私立の進路選択次第で中学卒業までに約1,900万円、高校・大学まで含めるとさらに多額の教育費が必要になるケースもあります。
さらに生活費など養育費も含めれば総額3,000万円を超えるとも言われ、子育て世帯にとって教育資金の準備は大きな課題です。
経済的理由で進学を諦めることがないよう、国が税制面で後押しする意味合いが「こどもNISA」には込められています。
「こどもNISA」を利用すれば、非課税メリットにより教育資金を効率的に準備できます。
例えば毎月1万円を0歳から18歳まで積み立て投資すると、元本の合計は216万円になります。
仮に年平均5%の利回りで運用できた場合、約129万円の利益が生じる計算になりますが、この129万円に税金がかからずまるごと手元に残るのがNISAの強みです。
運用成果次第ではありますが、銀行預金の利息が極めて低い現状では、長期投資でインフレや将来の学費高騰に備えられる点は大きなメリットでしょう。
子ども名義の口座で資産運用を行うことは、自身がお金の動きに興味を持つきっかけにもなります。
たとえば小学生のうちから「自分の口座」で積立投資をしていると実感できれば、経済や株式市場に関する自然な学びが得られるでしょう。
「お年玉を運用してみる」「株価の変動を親子でチェックする」といった体験は、生涯にわたる金融スキル習得につながるはずです。
前述の通り、こどもNISAでは12歳以上になれば資金を引き出せる見通しです。
これは中学・高校・大学といった進学のタイミングで必要資金を使えることを意味します。
また用途も教育費に限定されるわけではなく、留学資金や結婚・新生活のための資金など幅広い目的で活用可能になる可能性があります。
「せっかく貯めたのに18歳まで引き出せない」という心配がありません。
柔軟性が高いことで貯蓄と投資を両立しやすい点もメリットと言えます。
メリットが多い「こどもNISA」ですが、利用にあたって注意すべき点やデメリットもあります。
NISAであっても投資である以上、元本保証はありません。
運用次第では預けたお金が目減りする/リスク(元本割れ)があります。
特に株式市場の変動が大きい局面では、含み損を抱える可能性もあります。安全確実に教育資金を貯めたい場合は、学資保険や預貯金といった元本保証商品も組み合わせ、リスクを分散することが大切です。
実際、学資保険は満期時の受取額が確定しているため計画を立てやすく、安全重視の人に向いています。
一方で子ども向けNISAはリスクを取ってでも効率的に増やしたい人向けの選択肢と言えます。
各家庭の方針やリスク許容度に応じて、保険と投資をバランスよく活用するのが賢明でしょう。
子ども名義のNISA口座であっても、実質的に親の資金を運用する形になります。
ここで注意したいのが贈与税や口座名義人に関するルールです。
基本的にNISA口座の名義人(子ども)が利益を得る形になりますが、もし親が子どもの名義を利用して自分の資産を運用していると見做されると、贈与とみなされる可能性があります。
そのため、子ども自身への贈与範囲内(年間110万円の非課税枠内)の資金で運用する、児童手当やお年玉など本来子どものためのお金を充てる、といった工夫が必要です。
子どもにも運用の主体性を持たせる形で進めれば、税務上の問題も避けられるでしょう。
先述の通り、こどもNISAには年間60万円・累計600万円程度の投資上限枠が設けられる見込みです。
十分な額ではありますが、もし子どものためにそれ以上の資金を運用したい場合、NISA枠外での運用や他の金融商品も検討する必要があります。
ただし現行の新NISAも含め、NISA制度全体で各人の生涯非課税投資枠は限定的です。
上限枠を超える部分については課税口座で運用しても良いですし、夫婦でそれぞれNISAを活用する、祖父母にも協力してもらう(祖父母名義のNISAで運用し将来贈与する)といった方法でカバーすることも可能です。
家族トータルで資産形成計画を立てる視点も持ちましょう。
こどもNISAは現時点では「検討中」の制度です。
2024年末までに税制改正大綱に盛り込まれる予定とはいえ、国会審議などを経る中で細部が変更されたり、施行時期がずれ込む可能性もゼロではありません。
報道されている内容を前提に準備を進めつつも、最新の公式発表に注意を払い、制度内容の最終決定を確認するようにしてください。
子育て世代にとって魅力的な制度となりそうです。
非課税のメリットを活かして子どもの将来に備えつつ、金融教育の機会にもつなげられる点で、一石二鳥の効果が期待できます。
ただし投資にはリスクも伴うため、無理のない範囲で計画的に活用することが重要です。
筆者の経験上、教育資金づくりでは「安全資産とリスク資産の併用」がポイントになります。
例えば、毎月の児童手当の一部をこどもNISAで積立投資しつつ、残りは学資保険で確実に貯蓄するという方法も一案です。
こうすることで、元本確保と運用益追求のバランスが取れ、将来の学費不足リスクと運用リスクの双方に備えることができます。
最後に、こどもNISAを始める際は是非お子さんと一緒に運用状況をチェックしてみてください。
たとえ小学生でも、自分の名義のお金が増えたり減ったりする様子を見ることでお金の大切さや経済への興味が育まれます。
「○○大学に行くために今から増やしているんだよ」「将来こんなことに使おうね」といった会話は、お子さんの将来設計にも良い影響を与えるでしょう。
政府が進める「貯蓄から投資」の流れは、次世代を担う子どもたちにも広がろうとしています。
専門家としても、この流れを上手に取り入れて家計の資産形成に役立ててほしいと考えています。
こどもNISAの正式スタートに向けて最新情報をウォッチしつつ、賢く準備を進めていきましょう。
監修者情報:芳川 宏輔

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