監修者情報:芳川 宏輔

株式会社ウィンカム 取締役
CFPⓇ認定ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー
金融商品・保険商品を一切販売せずコンサルティングに徹するFP。
保険・住宅ローン・資産運用・NISA等サポートは多岐に渡る。
100世帯以上の顧問FPをし、延べ相談実績は400回を超える。

マイホームの購入を考え始めたとき、「住宅ローンってどこに相談すればいいんだろう?」と迷う方は多いのではないでしょうか。金融機関の窓口にすぐに行くべきか、購入予定の不動産会社に相談すればいいのか、それとも別の選択肢があるのか――。
住宅ローンの相談先には、実はいくつかの選択肢があります。銀行などの金融機関や不動産会社に加えて、ファイナンシャルプランナー(FP)という選択肢もあるんです。特に「いくらまで借りられるか」ではなく「ライフプランやライフイベントを考慮していくらなら無理なく返していけるか」を知りたい方にとって、FPへの住宅ローン相談は有力な選択肢になります。
この記事では、住宅ローンの代表的な相談先を整理したうえで、FPに相談するメリット・デメリット、さらに無料FPと有料FPの違いまで、分かりやすく解説していきます。
監修者情報:芳川 宏輔

株式会社ウィンカム 取締役
CFPⓇ認定ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー
金融商品・保険商品を一切販売せずコンサルティングに徹するFP。
保険・住宅ローン・資産運用・NISA等サポートは多岐に渡る。
100世帯以上の顧問FPをし、延べ相談実績は400回を超える。
住宅ローンの相談先として代表的なのは、以下の4つです。
それぞれに特徴があるので、まずは全体像を把握しておきましょう。
メリット: その銀行が扱っている住宅ローンについて、金利や手数料、返済条件などを詳しく教えてもらえます。審査の基準や必要書類なども具体的に分かるので、自分が普段よく使う銀行借りたい場合には効率的です。また合わせて定期預金や口座開設すると金利が優遇されるキャンペーン等も定期的に行われているので確認してみましょう。例えばイオン銀行では、住宅ローン返済中は、イオンでの買い物が常時5%offになったりするケースもあります。※要確認
また銀行と言っても、大手メガバンク、地方銀行、ネット銀行など様々あり、各特色があります。また信用金庫では、銀行では通らなかったローンも信用金庫では通る可能性もあります。
デメリット: 一方で基本的には自社のローンしか提案できないため、公平中立からの比較は期待しにくい面があります。また地方の場合は、大手メガバンクなどは土地が担保にとれない場合などはローンの貸付が難しい場合があります。
メリット: 全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」※住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)と民間金融機関が提携して提供する「全期間固定金利型」の住宅ローン。最大の特徴は「借入時の金利が、完済まで変わらない」こと。借入期間:最長35年。金利は全期間固定金利。住宅金融支援機構 × 民間金融機関が提供し、対象は一定の技術基準を満たした住宅(新築・中古)。について具体的な金利でシミュレーションができます。金利上昇局面において、今後金利が上がることが予想されている中で、返済について不安を持ちたくない方にとっては、安心材料になる相談先です。
デメリット: フラット35は全期間固定金利のため、変動金利など他のタイプのローンについての相談は範囲外になることが多いです。
メリット: 購入物件の情報に詳しく、大手ハウスメーカーは提携している金融機関があったりするので住宅ローン手続きまで一括でサポートしてくれます。物件探しから融資まで、ワンストップで進められる点は便利です。
デメリット: 提案されるのは基本的に提携先の金融機関のローンになるため、「本当に自分に一番合うローンか」は別問題です。また担当営業によっては物件を売ることが優先されるあまり、資金計画がおざなりになってしまうリスクもあります。
メリット: 特定の金融機関に属さない独立系のFPであれば、中立的な立場で複数の選択肢を比較できます。さらに、住宅ローン単体ではなく、ライフプラン全体から「無理のない借入額(返済額)」を一緒に考えてくれるのが大きな特徴です。
デメリット: 提携している会社がない場合、融資が引けるのか否かまでのサポートは難しいです。
住宅ローンをどこに相談すべきかは一概には決められませんが、「借りられる額」ではなく「返せる額」を知りたい、家計全体のバランスや今後のライフプランも含めて考えたいという方にとっては、ファイナンシャルプランナー(FP)への住宅ローン相談が有力な選択肢になります。
ここからは、FPに住宅ローンを相談することの具体的なメリットとデメリットを見ていきましょう。
FPは「キャッシュフロー表」という、将来の収入と支出の流れを見える化するツールを使います。これにより、「いくらまで借りられるか」ではなく「いくらなら無理なく返していけるか」を一緒に考えられるんです。
たとえば、「5年後に子どもが私立中学に進学するかもしれない」「10年後に車を買い替える予定」「定年後の生活資金も確保したい」といった、今後のライフイベントを踏まえてシミュレーションできます。住宅ローンは35年など長期間の返済になるからこそ、人生全体を見渡した計画が大切なんですね。
変動金利、固定金利、ミックス型――住宅ローンにはさまざまな選択肢があります。FPは特定の金融機関に属していないため、それぞれのメリット・デメリットをフラットに説明してくれます。
総返済額や毎月の返済額の違いを試算しながら、「金利が上がるリスクをどう考えるか」「繰り上げ返済をする余裕があるか」など、あなたの価値観に合う選び方を一緒に整理してもらえます。
住宅ローン減税(住宅ローン控除)の概要や適用条件、自治体の補助金制度や直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税などの知っておくべき制度について教えてもらえるのもFPの強みです。これらの制度をうまく掛け合わせて活用できれば、実質的な負担を減らすことができます。※適用要件などについては別途確認
FPは住宅ローンだけでなく、生命保険、教育資金、老後資金、日々の家計のムダなど、お金に関することをトータルでアドバイスしてくれます。「保険料を見直したら月1万円浮いた」「通信費を削減できた」といった家計改善が、住宅ローン返済の余裕につながることもあります。
独立系の有料FPの場合、1回あたり数千円から数万円ほどの相談料がかかります。ただし、これは「中立的なアドバイス」への対価と考えることもできます。
保険代理店や不動産会社に属するFPの場合、自社商品の販売が前提になっていることもあります。「無料相談」として提供されている場合は、ビジネスモデルを理解したうえで利用することが大切です。
FPの資格にもいくつかの種類があり、実務経験やスキルには個人差があります。「誰に相談するか」を見極める必要があるのは事実です。住宅ローンに強いFPの場合には、融資実行の支援まで手厚くサポートしてもらえますが、そうでない場合は、最終的な実行支援が弱い場合もあります。
FP相談を「なんとなく行って終わり」にせず、有意義な時間にするために、事前に準備しておくと良いことを整理しておきましょう。このリストを見ながら準備すれば、相談時間をより有効に使えます。
完璧である必要はありませんが、以下のようなことをメモ書き程度でもまとめておくと話がスムーズです。
FPと一緒にキャッシュフロー表を作る際の材料になります。分かる範囲で整理しておきましょう。
以下のような書類があると、より具体的な試算ができます。
金融機関が教えてくれる「あなたが借りられる最大額」と、ライフプラン上無理なく返していける金額は違います。
FP相談では「無理なく返していける額」を決めにいくので、その視点を持っておくと話がスムーズに進みます。
全部完璧に用意できなくても大丈夫です。「分かる範囲で整理してから行く」だけでも、FPとの相談時間を有効に使えますよ。
また相談の際は、正直にありのまま話すことも大切です。頂く情報に虚偽があったり、過少申告の場合は、作成するライフプランが正しいものになりません。
「お金の相談」というと、FPのほかに「IFA」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。この2つはどう違うのでしょうか。
FPは、家計・ライフプラン全体を見ながら、住宅ローンを「家計の一部」として位置づける役割を担います。住宅ローンだけでなく、保険・教育費・老後資金・資産運用など、お金に関することを総合的に相談できるのが特徴です。
IFA(Independent Financial Advisor=独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、証券会社などと提携し、主に投資信託や株式などの金融商品の提案・運用アドバイスを行う立場です。「住宅ローンそのもの」よりも、「住宅ローンを組んだうえで資産運用をどう取り入れるか」といったテーマに強いケースが多いです。
FP向き:
といった場合はファイナンシャルプランナーへの相談で包括的にアドバイスをもらえた方がいいかもしれません。
IFA向き:
そんな場合は、資産運用に強いIFAに相談することもいいかもしれません。
もちろんFPとIFAを併用することも可能です。まずFP相談でライフプラン作成、キャッシュフロー作成し、住宅ローンの無理のない上限を決め、資産運用に回せるお金を試算して、その後、IFAで具体的な投資商品の相談をする、といった二段構えの使い方もあり得ます。
その場合費用負担が増加することも懸念されるので注意しましょう。
FPの種類には「無料FP」と「有料FP」があります。この違いはどこにあるのでしょうか。
銀行、保険ショップ、不動産会社、オンラインサービスなどが提供する無料相談では、相談自体にお金はかかりません。基本的に何度でも無料です。その代わり、出口として住宅ローンの借入や保険への加入、投資商品などの購入など「商品販売手数料」や、「紹介料」などによる収益で成り立っているケースが多いです。
つまり、相談自体は無料ですが、その後の商品提案がセットになっているのが通常です。
有料FP相談では、相談料(たとえば1回1時間5,000円~20,000円程度)を利用者が直接支払います。商品販売をしない、あるいはしても比重が小さいため、公平「中立性」を期待しやすいのが特徴です。またライフプラン作成やキャッシュフロー作成は別途費用がかかります。
「金融商品を買うこと」よりも、「家計全体の設計や第三者の意見」がほしい人と相性がよいスタイルです。
無料FPでも商品販売ありきではなく、親身で顧客本位な人はいますし、有料FPでも実務経験が浅く、期待に添えないFPもいます。大事なのは、「どこから報酬を得ているか」「何をゴールにしたサービスか」を理解したうえで利用することです。
無料と有料の違いを踏まえたうえで、「こういう場面では有料FPにお金を払ってでも相談する価値が高い」というポイントを見ていきましょう。
有料FPは相談料が主な収入源のため、必ずしも特定の住宅ローンや保険を売る前提で動いているわけではありません。そのため、「借りる金額をあえて抑える」「心理的側面から判断して変動ではなく固定金利を選ぶ」など、住宅販売側にとっては嬉しくない提案もしやすいんです。
本審査の前には必ず仮審査があります。物件の位置や価格、家計の状況によっては、仮審査が通らない場合もあります。その際には、経験によって次の手のサポートも可能です。
金融機関が提示する「借りられる額」ではなく、ライフプランと家計のキャッシュフローから「無理なく返済できる額」を一緒に決められます。これは長期的な安心につながる、とても大切なプロセスです。
保険料、通信費、教育費などを見直し、住宅ローン返済と両立できる家計に整える提案ができます。その結果、相談料以上の「固定費削減・将来のリスク低減」につながる可能性があります。
住宅ローンは一度借りたらお終いかもしれません。でも返済は長期間続いて行く中で、出産、転職、子どもの進学などの内的要因やコロナや経済状況の変化などの外的要因によって発生するイベントごとに住宅ローンと家計を見直す必要があります。そんな時”かかりつけFP”的な関係を築きやすいのも、有料FPの大きなメリットです。
「自分は有料FP向きかな?」と迷っている方のために、こんな方は有料FPへの住宅ローン相談が向いています、というポイントをまとめました。
逆に、とりあえず住宅ローンの基礎知識や、ざっくりとした金利の違いを知りたいだけであれば、銀行やオンラインの無料相談から始めてもよいでしょう。
住宅ローンの相談先には、銀行、住宅金融支援機構、ハウスメーカー・不動産会社、FPなど、複数の選択肢があります。「いくら借りられるか」だけでなく、「家計全体・ライフプランにとって無理のない住宅ローンはいくらか」を考えるなら、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談が非常に有効です。
無料FP、有料FP、IFAそれぞれの特徴を理解し、自分の目的に合った相談先を選ぶことが大切です。
住宅ローンは、人生で一番大きな買い物と言われます。「なんとなくこのくらいで…」ではなく、ファイナンシャルプランナー(FP)に住宅ローンと家計全体を相談しながら、”無理のない返済計画”を一度しっかり作ってみることで、将来のお金の不安はぐっと小さくなります。まずは一度、自分に合う相談先を探して、話を聞いてみてはいかがでしょうか。





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